A-07 文学夏目漱石の魅力『こころ』というラビリンス(迷路)の謎を読み解く

開講済

講座概要

開催日 2018年4月13日(金)~7月6日(金)
曜日
時間 14:00~15:30
受講定員 20 名
回数 全10回
受講料 15,000 円

講座内容

漱石の『こころ』は、こころの迷宮に分け入っていく物語。語り手は二人だけ。前半は、「先生」に人間的魅力を感じた青年(当時)の先生に関する回想である。後半は、先生自身の過去を告白した形を取った遺書である。青年である「私」は先生の言葉や態度、あるいは奥さんの話を聞き、先生の過去の秘密を感じながらも、あえて先生のこころの傷を暴こうとはせず、先生の人生観や人間観、恋愛観に含まれる警句とも言える真実の言葉に心惹かれて、師と仰いでいる。後半は、先生の長い遺書のみで作品は終わる。「先生」は自分の心の秘密を、「私」にだけ告白したのだ。しかし、それは先生の主観のみで、お嬢さんの本意や、Kの自殺の真因は先生の語りでしか分からない。人間の真実の心は、裏切りや倫理的葛藤、トラウマから逃れられないという悲劇が描かれている。

テキスト

■テキスト:『こころ』夏目漱石著(岩波文庫)¥600(+税)
[第1回受付で販売します。]
※テキストをすでにお持ちの方はご持参ください。

スケジュール

実施日 時間 講義内容
1 2018年04月13日(金) 14:00~15:30 先生との出会いと、「私」の恋心
2 2018年05月11日(金) 14:00~15:30 「私は淋しい人間です」「幸福な一対であるべきはずです」
3 2018年05月18日(金) 14:00~15:30 「恋は罪悪ですよ、そして神聖なものです」
4 2018年05月25日(金) 14:00~15:30 「人間は誰でもいざとなれば悪人になる」
5 2018年06月01日(金) 14:00~15:30 父の死と乃木大将の死、父より先生を選んだ「私」
6 2018年06月08日(金) 14:00~15:30 「矛盾した人間なのです」「血の盟約」
7 2018年06月15日(金) 14:00~15:30 トラウマとしての叔父の裏切り
8 2018年06月22日(金) 14:00~15:30 Kの出現とお嬢さんとの三角関係~お嬢さんの真意は?
9 2018年06月29日(金) 14:00~15:30 Kに対する裏切りと、Kの自決~Kはなぜ自殺したのか?
10 2018年07月06日(金) 14:00~15:30 破壊された先生の自我~「こころ」の作品構造の意図

講師

相良 英明
(本学名誉教授)

鶴見大学名誉教授。英米文化学会評議員。鶴見大学比較文化研究所員。元日本英文学会評議員、日本比較文学会理事、英米文化学会学術担当理事などを歴任。専門分野は英文学、イギリス文化、比較文学、比較文化研究。著書は『ジョージ・オーウェル』『夏目漱石の純愛不倫文学』『作家としての宮崎駿』など。論文として、「イギリスのオルターナティヴ・カルチャー」「イギリスのNEETと若者ホームレス~現状と対策~」「文学における闇~J.コンラッドの場合」「オーウェル『1984年』~政治と文学」など。

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